シニア向け分譲マンションは、高齢者の方が暮らしやすいように環境を整えた分譲マンションです。
バリアフリーなど、高齢者が快適に生活できる点が大きな魅力ですが、サービス内容や料金などにどのような特徴があるか気になっているという方は多いのではないでしょうか。
また、同じくシニア向けに展開されているサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)と、どちらを選べばいいか迷っている方も少なくありません。
そこで本記事では、シニア向け分譲マンションの特徴・サ高住との違いについて解説します。
- 費用の相場
- サービス・設備内容
- 入居基準
- シニア向け分譲マンション・サ高住のメリット、デメリット
について知りたい方は、ぜひご確認ください。
シニア向け分譲マンションの特徴
シニア向け分譲マンションは、高齢者の方でも暮らしやすい設備やサービスを提供し、快適で満足度の高い生活を送れる分譲マンションです。
あくまでも分譲マンションなので他の老人ホームやサ高住と違い、購入後はご自身の資産となります。
では、シニア向け分譲マンションはどのような特徴があるのか、本項で確認していきましょう。
- 費用の相場(入居一時金・月額料金)
- サービス内容
- 主な設備
- 入居基準
について詳しく説明します。
費用の相場
シニア向け分譲マンションには、2種類の料金がかかります。
まずは初期費用としてマンションの購入費用を支払い(入居一時金)、その後にサービスや生活費を月額で支払います。
それぞれの相場がどれくらいか、確認していきましょう。
入居一時金
シニア向け分譲マンションの入居一時金の相場は、数千万~数億円です。
通常の分譲マンションと同じく、部屋の間取りや立地条件などで料金は大きく異なります。
例えば東京都日野市のシニア向け分譲マンションだと、2LDK(70㎡)で約5,600万円、1LDK(45㎡)で約3,600万円です。
シニア向け分譲マンションを購入後はご自身の資産となるため、相続・売却・賃貸などを自由に行えます。
月額料金
月額料金もサービス内容によって大きく変わります。
先ほどの東京都日野市のマンションの例を挙げると、2LDKで11万円、1LDKで8万円です。(食費別)
こちらのマンションだと
- 人工温泉大浴場
- レストラン併設
- 看護師常勤
- 24時間見守りサービス
- 健康サポート
- 訪問診療
などのサービスが用意されています。
高齢の方でも安心して居住できるサービスが充実しており、また24時間の見守りがあるため家族の負担も少ない点が、シニア向け分譲マンションの特徴です。
サービス
シニア向け分譲マンションでは、高齢者が快適に過ごせるためのサービスが充実しています。
食事・掃除・洗濯など基本的な生活や健康面のサポートは当然ながら、身体機能回復のためのリハビリ・医療サービスを行っているマンションも少なくありません。
また、老後の生活を楽しくするためのレクリエーションやイベント、他の居住者との交流も充実しています。
カフェ、ジム、プール、温泉などを自由に使える物件もあり、まさにアクティブシニアに向けた施設と言えるでしょう。
主な設備
シニア向け分譲マンションの施設は、居室設備と共有設備の2種類に分かれます。
設備もマンションによって大きく変わるので、こちらでは東京都日野市のマンションを例に挙げて確認していきましょう。
【居室設備】
- トイレ
- シャワー・浴室
- キッチン・電磁調理器
- エアコン・床暖房
- 浄水システム
など
【共用設備】
- レストラン
- カラオケルーム
- 多目的室
- 大浴場・温泉
- マッサージ室
- 麻雀台
など
居住室には快適な生活を送るための設備が、共用施設には楽しく過ごすための設備が整っています。
入所基準
入居基準は施設によって様々ですが、原則として軽度の要介護までの、自立して生活ができる人を受け入れています。
年齢は50歳以上、55歳以上、60歳以上など、施設で定められた条件をクリアしなければなりません。
また入居には審査があり、疾患を持っていたり、身元引受人がいなかったりすると入居を断られる可能性があります。
入所難易度
シニア向け分譲マンションは基本的にアクティブシニア向けの施設なので、入居難易度はそこまで高くありません。
場所によっては50歳からも入居可能です。
ただしマンションを購入する必要があるため、初期費用で数千万円近くかかることも十分にあり得ます。
資金面がネックではありますが、その他の難易度はそこまで高くないと考えておきましょう。
シニア向け分譲マンションとサ高住との違い
同じくシニア向けに展開されているサ高住と、どっちを選ぼうか迷っている方も少なくありません。
そこで本項では、シニア向け分譲マンションとサ高住の違いを、それぞれのメリット・デメリットを交えて紹介します。
シニア向け分譲マンションのメリット・デメリット
こちらでは、シニア向け分譲マンションのメリット・デメリットについて紹介します。
入居条件がそこまで厳しくない
シニア向け分譲マンションは入居条件がそこまで厳しくありません。
施設によっては疾患があると入居できなかったり、身元引受人が必要だったりしますが、ある程度自立している方であればすんなりと入居できる場合が多いです。
50歳から入居できる施設もあり、早い段階での入居も検討できる点も魅力と言えるでしょう。
介護サービスはあまり手厚くない
シニア向け分譲マンションは基本的に自立者~介護をそこまで必要としない人が入居する施設なので、介護サービスはそこまで手厚くありません。
場所によっては介護サービス施設が入っているマンションもありますが、基本的には外部のサービスに頼る必要があります。
初期費用が高い
シニア向け分譲マンションはマンションを購入する形になるので、初期費用が高額です。
最低でも数百万円、規模によっては数億円に上ることも考えられます。
ただし購入したマンションは自分の所有物になるので、相続や売却・賃貸が可能です。
場合によっては購入した金額より高い値段で売れることもあるので、立地条件などをしっかりと検討するようにしましょう。
サービス付き高齢者向け住宅のメリット・デメリット
こちらではサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)のメリット・デメリットについて紹介します。
幅広い入居者に対応している
サ高住には一般型と介護型があり、自立できる人も介護が必要な人も入居できる施設が存在します。
施設によって入居条件は変わりますが、比較的幅広い層が入居可能です。
ただし年齢は60歳以上と定められている所が多いので、若い時期から入居したい方は、シニア向け分譲マンションを使ったほうがよいでしょう。
介護サービスが必要な場合は介護型を
サ高住は一般形と介護型の2種類があるため、介護が必要な方は介護型に入居すれば手厚いサービスを受けられます。
ただし老人ホームのように常に介護スタッフや看護師がいるわけではないので、認知症や病状が悪化してしまうと住み続けられません。
外部の介護サービスを使う手もありますが、基本的には退去しなければならないでしょう。
初期費用が安く、住みやすい
サ高住は初期費用が安く、家賃の2~5ヶ月分ほどの敷金を支払えば住むことができます。
シニア向け分譲住宅だと数千万円かかる初期費用が、サ高住なら高くても数百万円しかかかりません。
また賃貸借契約として居住するため、他の施設への移動も容易です。
居住にかかる月額費用はサ高住もシニア向け分譲住宅も変わらないため、初期費用や資産状況を検討して選ぶと良いでしょう。
シニア向け分譲マンションの入居までの流れ・手続き
こちらではシニア向け分譲マンションの入居までの流れ・手続きについて紹介します。
施設探し・内見
まずは居住予定のマンション探しと内見を行います。
シニア向け分譲マンションはマンションを購入する必要があるため、立地条件や部屋の間取り、サービス内容などを細かくチェックするようにしましょう。
また、将来的に売却や賃貸を行うことも視野に入れて探してみてください。
入居申込書の提出
住みやすそうなマンションが見つかったら、入居申込書を提出します。
ここで申込金・本人確認書類・収入証明が必要になる場合があるので、あらかじめ確認しておきましょう。
施設との面談・審査
施設スタッフと訪問または来訪による面談を行い、その後審査が行われます。
主に見られる点は「要介護度」「介護の必要性」「資産の有無」などです。
面接と本人の状況を審査し、問題なければ入居作業に移ります。
契約・引き渡し
面談と審査が滞りなく進み、問題ないと判断されれば、入居契約を行います。
入居一時金を支払い、引き渡し日の調整を経て、入居です。
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