老人ホーム費用の相場はいくら?

有料老人ホーム・介護施設の費用・月額利用料金の相場っていくらぐらい?
代表的な施設の費用・料金は?内訳はどうなってる?
入居一時金を払うプランと月額プランはどちらが良い?
その他、年金だけの支払いや医療費控除・減額措置など、費用面について書いていきます。

代表的な利用料はどのぐらいが目安?

有料老人ホームの利用料 費用相場

老人ホームの費用は大まかに、利用者が入居前に支払う入居一時金と、毎月支払う月額利用料の2つが必要です。

  • 入居一時金(入居時費用)の相場…数十万円~数百万円
  • 月額利用料の相場…月に10万円~30万円

仮にある有料老人ホームに入居者が70歳~90歳までの20年間入居したとしましょう。その場合、

入居一時金300万円+月額15万円×20年間=3,900万円

が必要になります。

地域や施設によって費用の相場は大きく変わります。

サービス付き高齢者向け住宅の利用料 費用相場

サービス付き高齢者向け住宅、いわゆる「サ高住」は一般型と介護型がありそれぞれ費用が大きく変わります。

一般型は自立した方や要介護度が低い方向けです。介護型は訪問介護ステーションやデイサービス付き施設を指し、受けられる介護サービスは介護付有料老人ホームと同等のものです。サ高住の介護型は厚生労働省が定める特定施設に該当します。

サービス付き高齢者向け住宅の敷金(有料老人ホームで言う入居時費用)は有料老人ホームと比べて低く、20万円前後が相場です。

また施設によっては入居時費用を取らない代わりに月額が上がる場合もあります。入居時費用を支払っておく方が長期的に低いです。入居一時金を支払う場合のトータルの費用感は、

入居一時金20万円+月額15万円×20年間=3,620万円

サービス付き高齢者向け住宅って何?詳細はこちら

費用の内訳はどうなってる?

老人ホームの費用の内訳は次の通りです。

入居一時金(入居時費用)

入居前に支払う前払金です。家を買う時の手付金・着手金や、家を借りる時の敷金と似ていますね。

入居一時金は0円~数億円と施設によって様々。最も多いのは数百万円です。

「初期費用を抑えたい」と言う場合には、施設によっては0円に出来る事もあります。その分、月額費用が高くなります。ご自身の資産や年金額に応じて施設と相談しましょう。

入居一時金は早期退出があった場合、施設によっては一部戻って来る事もあります。これらを「初期償却」「返還金」などと言います。

初期償却・返還金で戻るお金はいくら?

入居一時金は更に2つに分けられます。戻って来ないお金「初期償却」と、戻ってくるお金「返還金」です。

施設によって初期償却として、入居した時点で一定金額が施設に支払われます。これが何%になるかは施設ごとに異なります。10%~20%程度である事が多いです。

さらに施設によって、どのぐらいの期間で退去すれば入居一時金が返還されるかが決まっています。その期間の事を償却期間と言います。

償却期間は施設ごとに○年と定められています。その期間内に退去した場合、初期償還分を引いた残額を、月割りで計算して変換します。

例えば、入居一時金500万円、初期償還20%、償却期間10年だとします。7年で退去したとしましょう。

500万円-100万円(初期償還20%)=400万円
400万円×(償却期間10年-入居期間7年)=120万円

と言う事で120万円が返還されます。

利用料月額はいくら必要?

月額費用は施設の賃料や食費などを合わせた総額です。入居している限り毎月支払う必要があります。

月額利用料の内訳は何が含まれてる?

賃料・食費・管理費・介護保険料・水道光熱費・介護保険などで構成されます。医療費や日用品などの日常生活費は民間施設では自己負担。また介護保険の自己負担分(1割または2割)もあります。介護保険施設などで一部自己負担となります。これらの費用も余裕をもって蓄えておきましょう。

注意点として、食費については施設で提供される食事を食べても食べなくても支払う必要があります。外食や自分で料理をする日もありますよね。その場合も食費が月額に含まれる場合があります。施設に確認をしておきましょう。

クーリングオフ制度もあります

上記の返還金とは別です。入居して90日以内の退去があると、入居一時金が返還されます。事実上のキャンセルですね。こちらも施設に念のため確認して下さい。

老人ホームの利用形態で費用が変わる事も

契約方式は主に3種類あります。それぞれで必要な金額が変わる事があります。

形態1.利用権方式

多くの施設が採用しています。居室、共用部などの施設を終身利用できる権利+介護サービスなどを受けられる権利がある契約方式です。月額利用料が最も大きくなりうる契約形態でもあります。

形態2.建物賃貸借方式

居住部分の契約のみをし、家賃相当額を毎月支払う形式です。食事や介護などのサービスは必要に応じて別途契約します。特に介護が必要無い人はここで費用を抑えることも可能です。ただし死亡をもって契約終了にはなりません。

形態3.終身建物賃貸借方式

死亡によって契約終了となる建物賃貸借の形式です。

費用を簡単に計算してみよう

収支計算をして、費用を予想する事は大切です。
仮に個人資産が1億円あっても、企業年金があるのか、個人年金なのかなどで入居できる施設が異なります。

入居一時金が300万円~5,000万円で、月額が10万円~30万円の場合、それぞれ総額がいくらになるのかをシミュレーションして予想してみました。参考にしてみて下さい。

入居一時金 300万円 500万円 1,000万円
月額 10万円 15万円 20万円
5年入居した時の総額 900万円 1,400万円 2,200万円
10年入居した時の総額 1,500万円 2,300万円 3,400万円
15年入居した時の総額 2,100万円 3,200万円 4,600万円
20年入居した時の総額 2,700万円 4,100万円 5,800万円

入居一時金が数千万円となってくると、高級老人ホームと言っていいと思います。

5,000万円、月額30万円の場合、15年入居すれば総額は1億を突破します。

入居一時金 3,000万円 5,000万円
月額 25万円 30万円
5年入居した時の総額 4,500万円 6,800万円
10年入居した時の総額 6,000万円 8,600万円
15年入居した時の総額 7,500万円 1億400万円
20年入居した時の総額 9,000万円 1億2,200万円

もちろんこれらはあくまで単純化した例です。

施設によって細かい料金プランが用意されている事もあります。これより安い費用の施設もあれば、高い施設もあります。施設ごとのサービス内容や立地、維持費などで細かく変わってきます。

詳しくは検討中の施設にお問い合わせをして下さい。

老人ホーム費用と収支を調べて見よう

収入額を知って入れる施設を選ぼう

毎月の収支によって、どんな老人ホームやサ高住、介護施設に入居が可能か、算定できます。老後の毎月の収入額の代表的なものは次の通り。

  • 厚生年金…平均15万円(2か月に1度)
  • または国民(基礎)年金…平均5万5,000円(2か月に1度)
  • 退職一時金…平均1,000万円~3,000万円(人により差が大きい)
  • または企業年金(確定拠出年金/401K)…平均5万~20万円
  • 個人(私的)年金(財形貯蓄、個人型確定拠出年金/iDeCo)…平均9万円
  • 自宅や車など資産の売却額
  • その他預貯金

この収入と資産額で賄えるかどうかをまず確認しましょう。多くの人は厚生年金額を元に入れる老人ホームを検討すると思います。

国民年金の場合は別途資産が無ければ有料老人ホームやサ高住を賄えない事が多いでしょう。その場合、特別養護老人ホーム(特養)や軽費老人ホーム(ケアハウス)などが比較的安く利用できます。

※特養は要介護3~5の方が優先されます。要介護1~2以下の方は入居が難しくなります。

介護施設の控除、減額措置があるって知ってた?

1.医療費控除が受けられる事も

特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設など、介護保険施設では医療費控除を受ける事が出来ます。

施設名 医療費控除の対象 医療費控除の対象外
指定介護老人福祉施設
【特別養護老人ホーム】
指定地域密着型
介護老人福祉施設
施設サービスの対価
(介護費、食費及び居住費)
として支払った額の
2分の1に相当する金額
日常生活費/
特別なサービス費用
介護老人保健施設 施設サービスの対価
(介護費、食費及び居住費)
として支払った額
日常生活費/
特別なサービス費用
指定介護療養型医療施設
【療養型病床群等】
施設サービスの対価
(介護費、食費及び居住費)
として支払った額
日常生活費/
特別なサービス費用
介護医療院 施設サービスの対価
(介護費、食費及び居住費)
として支払った額
日常生活費/
特別なサービス費用

2.介護保険負担限度額認定証で費用が安くなる人

自治体から受ける事が出来る、介護施設の減額措置です。施設・居室の種類などで介護保険負担を軽減できます。※有料老人ホームやサ高住などは対象外

所得や預貯金が所定の基準以下の人が対象です。また世帯全員の市町村民税が非課税で、預貯金などが基準額以下である事も条件です。

3.特例減額措置で費用が安くなる人

こちらも自治体から受ける事が出来ます。細かい減額条件は自治体によりますが、どの自治体もほぼ以下の基準を満たしている必要があります。要するに生活の収支がギリギリの方、と言う事。

  • 2人以上の世帯
  • うち1人が介護保険施設に入所
  • 前年の収入が施設利用料を大きく上回らない
    (主に80万円以下しか残らない)
  • 資産が自治体の基準額以下
    (主に450万円以下)
  • 日常生活のため必要なもの以外の資産がない
  • 介護保険料を滞納していない

老人ホームの費用まとめ

老人ホーム・介護施設は利用料の種類が様々あります。ご自身の収入額と、利用料とを照らし合わせ、また医療費控除や自治体の減額制度を知り、無理なく入所できる老人ホーム・介護施設を選びましょう。

自身で適する老人ホームを選ぶことが難しい・煩わしい場合は、完全無料の紹介所を利用する事をお勧めします。

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